蝉しぐれ
藤沢周平さんの作品は読みやすくすんなりと言葉が入ってくるのが好きで一気に読んでしまった作品。文四郎という下級藩士が運命に翻弄されながらもたくましく成長していく様が描かれています。
時代小説の金字塔という名に間違いはなく、青い春と寂しさと切なさなど読み終わってからの心地よい余韻が続来ました。
天地明察
江戸時代の幕府で碁を生業としている数学者を主人公とした珍しい歴史小説で、江戸時代初期の天体観測と地理測量の術なども分かりやすく綴らていて、楽しく読めた作品です。
日本各地で北極星を観測・測量に出かける旅が話の中心で、読むうちにどんどん世界に引きずり込まれます。
村上海賊の娘
村上海賊の娘である景が主人公で、上巻では織田軍麾下の石山合戦の話ではまだ活躍の場はありません。
しかし、大阪本願寺と織田信長の戦いに海賊が関わってくるというだけでもワクワクし、上巻最後に満を辞して信長が登場。
続きが気になって一気に読んでしまう作品です。
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陽炎ノ辻 ─ 居眠り磐音江戸双紙
江戸深川六間堀で浪々の日々を送る直心影流の達人である坂崎磐音が主人公。
両替商の用心棒を引き受けた際、大きな陰謀に巻き込まれてしまいます。
テンポが良くサクサク進むのも読みやすく、癖が無いので誰にでも進められる作品です。主人公はもちろん登場人物がみんな魅力的です。
明智光秀と謀反、裏切りのざんねんな戦国武将たち
時代小説とはちょっとテイストが異なるのですが、大河ドラマ関係を一つ紹介。
明智光秀・浅井長政・柴田勝家・松永久秀・斎藤道三など明智光秀以外にも、織田信長に謀反した武将たち実に多いのが本当のところです。
その武将たちにスポット当て、ライトに描かれているため、戦国時代に詳しくなくてもスラスラ読めてしまいます。
有名武将からややマイナーな武将まで生き方考え方が伝わってきて面白く読めます。
2020年NHK大河ドラマ「麒麟がくる」も見方が変わるかもしれません。
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決定版 鬼平犯科帳
やっぱり外せないのが鬼平犯科帳ではないでしょうか。
幕府の火付盗賊改方の長官・長谷川平蔵が主人公で、義理も人情もユーモアもあるのが魅力です。
元々主人公は歴史上では無名だったのが、決定版 鬼平犯科帳によって有名になったというのも面白いところ。
斬り捨て御免の権限を持っているだけあって、悪人を容赦なく切り捨てるのも見どころです。悪には悪のネットワークがあるのも関心しました。
ぼんくら
時代ミステリーの傑作と言われる宮部みゆきさんの長編小説。最初は短編小説ではと思って読みすすめると、後に続く大きな事件に不可欠なストーリーだったと分かります。
登場人物はけっこう多いのですが、みなキャラが立っていて忘れないのが流石です。
描写が優しい雰囲気で、ゆっくり読みたい作品です。
声なき蟬 上 空也十番勝負
空也の武者修行の話となっており、他国者を寄せ付けぬ異国・薩摩を目指します。
数々の人気シリーズを抱えるベストセラー作家だけあり、ワクワク感が止まらず一気に読んでしまいました。
主人公がどんな活躍をしてくれるのが楽しみで、舞台となっている南九州に旅をしたいと思わせるような描写も多いです。
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